愛南町正木地区「戸たてずの庄屋」と大クス

こんにちは。

今回は南宇和郡愛南町正木地区に伝わる
戸たてずの庄屋」の伝説について ご紹介します。

伝説の舞台は、正木地区で古くから庄屋として栄えた蕨岡家。
(場所はこちら

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ここの庭に、二本の大きな楠がそびえているのですが、
近くに立てられた看板にはこう記してあります。

『昔、この楠に止まって悪さをしていた天狗の翼が、
 家人の放った矢に当たって庭に落ちた。

 家人がその翼を天狗に返してやったところ、天狗は
 「お礼に子々孫々にわたり、この家に盗人が入らぬようにしよう」と
 言い残して篠山の奥に飛び去った。

 その後、この家に盗人が入ったが、出ようとして敷居まで来ると
 体が動かなくなった。

 以来、この家には盗人が入らなくなり、
 蕨岡家では戸を閉めなくても良くなったことから、
 人々はこの庄屋を「戸立てずの庄屋」と呼ぶようになり、
 この家の敷居を削って盗難避けのお守りにするようになった。』

つまり、助けた天狗がそのお礼として盗人の難から守ってくれることとなった、
そのきっかけとなった場所が この楠の大木というわけですね。

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90代続いたと云われる名家・蕨岡家は、この加護によって長く栄えたのだと云われます。


人々がお守りにしようとして削っていったという母屋の敷居は、
既に建て替えられたため見ることはできませんが・・

地域の方の話によると
建物を覆い被すほどに広がったこの楠の枝、
母屋の建て替えなどの際には、邪魔にならぬよう
決まって自ら持ち上がる
という話も云い伝えられているそうです。


今でも天狗によって守られている!?

まさかそんなことが、とは思いながら
もしかしたらあり得るかも・・ なんて思ってしまうほど、
この老木には圧倒的な迫力と不思議な雰囲気があります。

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樹齢は7百年以上と云われ、根廻り8m、高さは20m。

町指定の天然記念物でもあるこの大樹、
個人の所有地であるため普段は一般公開されていませんが、
毎年旧暦の10月18日に正木地区で開催される「花とり踊り」の際には
この楠の下でも踊りが披露されますので、
その日にお越しいただければ、ご覧になれますよ

(去年の「花とり踊り」の様子はこちら

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もしかしたら、この木にとまって踊りの様子を眺めている
天狗に出会えるかも・・  ね。


どんぐり & 写真提供:南予地方局商工観光室・N宮さん でした♪

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テーマ : 香川・愛媛・高知・徳島 - ジャンル : 地域情報